自動サンプル前処理システム(ASaP)
Model 1030
壁開、研磨、切削などによる切片のサンプルを連続かつ全自動でプラズマクリーニング(PC)、 イオンビームエッチング(IBE)、反応性イオンビームエッチング(RIBE)、 反応性イオンエッチング(RIE)、イオンビームスパッターコーティング(IBSC)の 5つの機能を迅速に行うことができます。
最終的なサンプルの解析は走査型電子顕微鏡(SEM)、 透過型電子顕微鏡(TEM)、集束イオンビーム装置(FIB) またはオージェでの分析が可能です。
特長
●継続的に真空状態を保ち5つの機能を連続して行うことが可能
●高速サンプルプロセッシング
●ユーザー設定プロセスシーケンスによる自動操作
●使い易いインターフェイス
●最大直径25mm、 厚さ25mmのサンプルに対応
●整合性のとれた結果が得られる
●全ての機能のパラメータを自動調整
●サンプル高さの自動検出
●高速揚水エアロック
●オイルフリー真空システム
電圧 2kV、電流 5mA、入射ミリング角度10°での低角度アルゴンイオンビームエッチング(IBE)後に、 AIサンプルから取得したインデックス付パターン。
グライディング後、酸化させたCuベースのマイクロエレクトロニクス材料における断面のSE(2kV)画像。
プラズマクリーニング、イオンビームエッチング、反応性イオンエッチング後のCuベースのマイクロエレクトロニクス材料における SE/BSE(4kV)画像。
プラズマクリーニング、イオンビームエッチングおよび反応性イオンエッチング後のトランジスタレベルでのCuベースのマイクロエレクトロニクス材料おけるSE/BSE(4kV)画像。
低解像度画像。
プラズマクリーニング、イオンビームエッチングおよび反応性イオンエッチング後の Cuベースのマイクロエレクトロニクス材料におけるSE/BSE(4kV)画像。
プラズマクリーニング、イオンビームエッチング、反応性イオンエッチング およびイオンビームスバッタコーティングを行った後のCuベースの マイクロエレクトロニクス材料におけるSE/BSE(2kV)画像。
●プラズマクリーニング
酸素25%とアルゴン75%から成るプロセスガスから誘導結合プラズマ(ICP)を作り出します。
ICPは15eV未満のイオンエネルギーとなります。
プラズマで生成される酸素ラジカルは炭素と 化学反応してCO, CO2およびH2Oに転化します。
ICPはラスター汚染物質を除去する場合にも非常に効果的です。
ICPでのイオンエネルギーは非常に低いので、有効的な汚染物質が試料の属性を変えることなくコンタミを取り除くことができます。
●プラナリゼーション
イオンビームエッチング(IBE)技術を内蔵し試料表面の均一化が可能です。
イオン源の加速電圧およびビーム電流パラメータは容易に調整でき、 高速での素材除去や試料研磨を段階的に行うことができます。
イオンビームエッチング(IBE)および反応性イオンビームエッチング(RIBE)は エネルギー性イオンを試料表面に照射することで、
粒状組織を露出させたり層と層の間やデバイス構造間の立体的な差異を明らかにし、また試料から異物を除去します。
ASaPは更に反応性イオンエッチング(RIE)システムを搭載しました。
RIEはデバイス構造の選択的な処理を行う半導体業界ではとてもポピュラーなシステムです。
RIEではプロセスガスは電気的にバイアスされた2枚の板の間の空間に導入されます。
反応性プラズマが形成され化学的およびイオンの混合照射効果を通して試料物質は高速かつ選択的に除去されます。
ASaPでは3種類までのプロセスガスを選択したり混合することができます。
CF4およびO2のある特定濃度は多種の半導体材料の前処理に特に効果的です。
●試料コーティング
モデル1030ASaPはイオンアシスト蒸着技術を用いた高解像度コーティングを提供します。
4つのターゲットからアプリケーションに合せて希望するコーティング素材を選択できます。
更に試料に多重コーティングすることも可能です。
蒸着率およびコーティングの厚さは任意にプログラムすることができます。
●グラフィック・ユーザーインターフェイス
モニタースクリーン上のメニューで機器の操作とプログラミングを非常に簡単に行うことができます。
一連のプロセシングシーケンスは試料に合わせて一つずつ調整でき、またあらかじめ設定した方法をメモリーから呼び出すこともできます。
シーケンスが起動すると自動的に全プロセスを実行します。
ユーザーインターフェィスが実行中の操作を継続して各操作のパラメータ状況を表示します。
仕様
装置型番 | Model 1030 |
本体寸法 | W673mm × D775mm × H1613mm |
本体重量 | 194kg |
イオン源 | 中空陽極放電(HAD) |
可変エネルギー | 0.5~6.0kV |
イオン源電流 | 3~8mA |
ビーム電流 | Max.400マイクロアンペア |
試料ステージ回転 | 1~360°(1度刻みでの設定可能) |
設定角度回転 | 0±179° |
ミリング角度 | 0~45° |
制御方法 | パソコン制御 |
真空ポンプ | ターボモレキュラーポンプ(70リットル) 除霜装置付ダイヤフラム式ラフィングポンプ採用 |
プロセスガス | 流速約0.4~1.0sccm/イオン源 10psiの送り圧力 |
電源 | AC100V、単相、50/60Hz、7アンペア |